改修の平均コストは約25万円

 こうして得られた分析結果をもとに、できるだけ速やかに対応できる方策を選定。急ブレーキを抑止する対策を実施した。

 採用された数が最も多かった対策は、路面標示での注意喚起だ。このほか、植樹のせん定による視界確保や合流地点におけるポストコーンの設置などを実施した。160カ所で実施した対策工事に要した費用は総じて安く、1カ所当たり平均約25万円で済んでいる。

■対策前
改修前の国道254号の西武台高校交差点では、1カ月間の急ブレーキ回数が9回に達していた。右側の商業施設などの影響があるとみられた(写真:埼玉県)
改修前の国道254号の西武台高校交差点では、1カ月間の急ブレーキ回数が9回に達していた。右側の商業施設などの影響があるとみられた(写真:埼玉県)

■対策後
路面標示などの対策を講じたところ、1カ月間の急ブレーキ回数がゼロになった(写真:埼玉県)
路面標示などの対策を講じたところ、1カ月間の急ブレーキ回数がゼロになった(写真:埼玉県)

 大きな成果を上げたカーナビデータ活用の取り組みは、現在、第二段階を迎えている。12年度からは、歩道のない通学路における安全対策に利用し始めた。

 県が管理する通学路のうち、約2割に当たる約310kmには歩道がない。こうした道路に対して、時速30km以上で走る自動車や急ブレーキを掛けた自動車の運行情報を収集。安全対策の優先順位を見極めている。