東京都江東区は、東京地下鉄有楽町線を延伸して同線の豊洲駅と半蔵門線の住吉駅とを結ぶ路線の整備計画案を検討。開業から30年以内に累積資金の収支を黒字に転換できると確認したことから、事業化に向けて2013年度中に国や東京都などと協議を進める。15年度に事業に着手し、25年度の開業を目指す考えだ。

江東区が想定した有楽町線の延伸ルート。赤い破線の部分(資料:江東区)
江東区が想定した有楽町線の延伸ルート。赤い破線の部分(資料:江東区)

 都市鉄道等利便増進法に基づく事業として、整備主体と営業主体を分けて整備する方法で検討した。具体的には、江東区などが出資する第三セクターが豊洲駅と住吉駅とを結ぶ路線を整備し、東京地下鉄が使用料を支払って営業する。同事業として国に認定されれば整備費用の3分の1以内の補助を受けることができるが、認定には累積資金の収支を20~30年程度で黒字に転換できる計画が必要となる。

 検討に当たって江東区は、12年度に「地下鉄8号線(豊洲~住吉間)事業化検討委員会」(委員長:東京理科大学工学部土木工学科の内山久雄嘱託教授)を設置。需要の予測や整備効果の調査などとともに、受益者負担の原則に則って収支を予測した。