海保は航路外のえい航を要請


 えい航の経路は、まず横浜港から東京湾を南下して、房総半島の南端付近の野島崎沖に至る。船舶がこの経路で東京湾から出ていく場合、通常は浦賀水道航路(下の図の水色の線で囲んだ部分)を経由する。海上保安庁が設定した正規の航路は、水深を頻繁に測っているため、海図に記された水深を信頼して航行することができる。東亜建設工業も、当初は同航路の利用を検討した。

浦賀水道でのサブステーションの航路(東亜建設工業の資料に日経コンストラクションが加筆)
浦賀水道でのサブステーションの航路(東亜建設工業の資料に日経コンストラクションが加筆)

 しかし、東京湾などを管轄する海保の第三管区海上保安本部(横浜市)は東亜建設工業に対し、航路外の航行を要請した。理由はサブステーションの喫水の深さとえい航時の速度だ。