7月28日に山口・島根両県を襲った、同地域での観測史上最大となる大雨によって、鉄道橋が消失したほか、土砂崩れなど多数の被害が発生した。8月5日時点で死者は2人、行方不明者は2人となった。

阿武川に架かるJR山口線の第6阿武川橋梁が流失。このほか第4、第5阿武川橋梁も流失した(写真:国際航業・パスコ)
阿武川に架かるJR山口線の第6阿武川橋梁が流失。このほか第4、第5阿武川橋梁も流失した(写真:国際航業・パスコ)

 最大24時間降雨量は、島根県津和野町で381mm、山口県萩市須佐で351mmと、どちらも観測史上最大を記録。気象庁は、従来の「警報」を超える危険性を示すものとして8月30日から導入する「特別警報」の発令基準に匹敵する大雨だったとの見方を示した。

 被害は、山口・島根両県の日本海側の県境付近に集中している。山口県北部を流れる阿武川では、JR山口線の三つの鉄橋が流失した。JR西日本によると、8月1日時点で築堤崩壊25カ所、道床流失21カ所など、多数の被災を確認している。JR山口線は地福駅―益田駅間で、JR山陰本線は益田駅―奈古駅間で運休となっており、運転再開のめどは立っていない。

土石流と崖崩れは8月2日時点の速報値、それ以外は8月3日時点の速報値(資料:国土交通省、島根県、山口県)
土石流と崖崩れは8月2日時点の速報値、それ以外は8月3日時点の速報値(資料:国土交通省、島根県、山口県)