東日本高速道路会社は7月31日、ICT(情報通信技術)の活用や点検の機械化を推進して、道路の維持管理を効率化・高度化する「スマートメンテナンスハイウェイ(SMH)構想」を発表した。

 2020年度を目標に、道路交通管制センターと連動した「インフラ管理センター」を設置。高速道路の維持管理を推進する。同社の廣瀬博社長は「日本初となる総合的、体系的な取り組みだ」と意気込む。

ロゴマークを手に、スマートメンテナンスハイウェイ構想について説明する東日本高速道路会社の廣瀬博社長(右)と、長尾哲・管理事業本部長(写真:日経コンストラクション)
ロゴマークを手に、スマートメンテナンスハイウェイ構想について説明する東日本高速道路会社の廣瀬博社長(右)と、長尾哲・管理事業本部長(写真:日経コンストラクション)

 スマートメンテナンスハイウェイ構想では、既に同社が保有する点検技術に加えて、橋梁をモニタリングするセンサーなどを新たに開発し、順次導入していく。目視点検や打音検査によって得られた情報と、先端技術を用いて集めた点検データを、インフラ管理センターのデータベースに一元化。分析を通じて、維持管理の効率化や予防保全の推進、第三者被害の防止に生かす。

 同社の長尾哲・管理事業本部長は「ICTの活用によって、熟練の点検作業者を、より重い症状の構造物の調査に集中投入できる。最小コストで、最大の効果を得たい」と話す。投資額については精査が必要だとしつつ、「現在、土木と施設を合わせた点検費用は1年間に70億円超だ。そこから1割増えるかどうか、といった数字になるのではないか」(長尾管理事業本部長)との考えを示した。

東日本高速道路会社が発表した「スマートメンテナンスハイウェイ構想」のイメージ(資料:東日本高速道路会社)
東日本高速道路会社が発表した「スマートメンテナンスハイウェイ構想」のイメージ(資料:東日本高速道路会社)