桁は、ベントに乗せるのではなく吊る
通常、仮設のベントを使って桁を架ける場合、桁をベントの上に乗せて設置する。この工事で特徴的なのは、そうはせずに桁をベント横材(梁材)から吊って設置することだ。
もし桁を乗せるためにベント横材を桁設置位置の下になる高さに設定した場合、本設の橋脚梁よりもベントの梁せい分、下端が低くなる。そうなれば、建築限界に抵触してしまう。従って、桁は本設橋脚と仮設ベント上に設置されたワイヤ・ジャッキの設備で吊り上げられ、完成までベント横材の下にあることになる。
午前2時過ぎから3時過ぎまでおよそ1時間かけて、桁は約3.3mゆっくりと吊り上げられていった。吊り上げ完了後、多軸台車はすぐ横の工事ヤードに移動、収容された。
この日、作業を直接行う作業員は40人ほどだが、交差点の通行止めに伴う大規模な迂回誘導のための交通誘導員は約110人に及んだ。そのほかの作業員も含めて約200人が当夜、働いていた。