送り出した桁を「回転」「降下」

 送り出し側、到達側両桁の接続部の本部材組み立てが完了すると、今度は桁全体を「回転横取り」する。送り出し構台至近にポンプ場建屋があるので、この作業が必要になる。

 完成形を見据えた理想的な位置に桁を地組みすると建屋に干渉するので、送り出し線を2度振って建屋に当たらない位置で地組みする。そして送り出し後、この2度を、到達側を回転中心にして修正するのだ。

トラス桁の回転横取り
トラス桁の回転横取り(資料:首都高速道路会社)
(資料:首都高速道路会社)

 所定の平面位置を確保すると次に、水平のトラスを本設の橋脚に載る高さまで降下させる。送り出し側2.8mをサンドル式で、到達側8.5mを吊り下げ式で降下させ、橋脚に載せて完成だ。

トラス桁の降下方法
トラス桁の降下方法(資料:首都高速道路会社)
(資料:首都高速道路会社)

IHIインフラシステム・駒井ハルテックJVの山本茂樹現場代理人(写真:勝田尚哉)
IHIインフラシステム・駒井ハルテックJVの山本茂樹現場代理人(写真:勝田尚哉)

 「1つひとつの部材が大きく、通常のトラス橋の組み立てとは全く違った感覚だった」。施工を担当するIHIインフラシステム・駒井ハルテックJVの山本茂樹現場代理人は、ブロック部材の製作や組み立ての精度管理の難しさについて語った。接合部は太く、仮ボルトでも入れると動かしづらくなる、それが1方向でなく3次元に伸びていくのだという。

 余談だが、仮設鋼材がとてもカラフルなのは、JV各社の持ち寄り機材の色がバラバラだからだという。2社のJVだが、IHIインフラシステムはIHIと栗本鉄工所の橋梁部門、松尾橋梁の3社が合併してでき、駒井ハルテックは駒井鉄工とハルテックが合併してできた。旧5社のカラーが混ざっているのだ。