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消費増税で公共事業はどうなる?

2012/08/20

 2014年4月に8%、15年10月に10%へと段階的に税率を引き上げる消費税増税法が8月10日に成立した。大和総研の試算では、増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」の家計への影響は、年収500万円の「40歳以上、片働き4人世帯」で年間約33万円の負担増になる。土木技術者にとっても自らの懐具合の行方は気になるところだが、与野党の攻防のさなかに火が付いた公共事業をめぐる論議が、仕事の面でさらに大きな影響をもたらす可能性が出てきた。

 消費税の増税が土木分野に与える影響を心配する声は、あまり上がっていない。同じ建設産業でも、増税を見越した駆け込み購入と、その反動からくる市場の冷え込みに懸念が高まる住宅分野とは大きく異なる点だ。社会保障と税の一体改革に関連して、建設工事請負契約書に関する印紙税の負担軽減を図る方針も示され、歓迎ムードすら漂っている。

 増税の直接的な影響以上に関心を集めているのが、間接的に持ち上がった公共事業拡大の大合唱だ。与野党の協議を経た消費税増税法案の修正案が衆議院を通過した6月26日を境に火が付いた。修正案の附則第18条第2項に、増税で生まれた余裕を防災や減災などに重点配分するとの一文が加えられたからだ。

 東日本大震災では国土の脆弱性が露呈し、将来の大規模災害への備えも欠かせない。一方、デフレに苦しむ日本で消費税を増税するに当たっては、景気対策が不可欠だ。防災関連のインフラ整備に大型の投資をすれば、一挙両得ではないか――。

 税収の増分がそのまま公共事業の財源になるかは不明だが、消費税増税と公共投資は、おおむねこのような論理で結びつけられた。急先鋒は自民党。6月4日に国会に提出した「国土強靭化基本法案」に関連し、一極集中がもたらした国土の脆弱性を是正するとして10年間で200兆円規模の公共投資を提案した。

 法案の作成を担当した自民党の脇雅史参院議員は「過密と過疎が進行した現在の国土から、多極分散型の国土へと転換を図る必要がある」と強調。そのためには、地方のインフラ整備が欠かせないと説くと同時に「デフレ脱却には財政出動しかない」と言い切る。

脇雅史参院議員。自民党参議院国会対策委員長を務める。国土強靱化基本法案の作成をプロジェクトチームの座長として指揮した。旧建設省OB(写真:日経コンストラクション)

木村 駿日経コンストラクション

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