「くしの歯作戦」命名の経緯
――ところで、「くしの歯作戦」というネーミングはユニークですね。一般の人への情報発信も考えての命名だったのでしょうか。
ネーミングについて「以前から考えていたのか」などと聞かれますが、とっさに思いついたというのが実情です。ただ、できるだけ現場に分かりやすい言葉を選んだことが、結果的には広報にも役立ちました。人命救助のためにいち早くルートを確保しなければならない道路の「啓開」は、時間をかけてきちんと直す「復旧」とは概念が違います。できるだけ迅速に、東京方面から内陸を通ってきた救援部隊を太平洋側に送り出さなければならない。とにかく「くしの歯状」に並ぶ16本のルートを啓開することに集中してほしいという意図を、作業を担う現場に分かりやすく伝えようとしたのです。