東日本大震災では津波の被害だけでなく、地盤沈下の影響を受けた地域も多い。旧北上川の河口に近い石巻市中心部もそうだ。特に大潮の時期は、満潮になるたびに浸水を繰り返した。だが、2月に現地を訪れると、旧北上川の破壊された堤防は造り直され、浸水は収まっていた。


石巻市門脇町。2012年2月3日撮影。旧北上川の堤防は造り直され、浸水の被害は収まっている(写真:日経コンストラクション)
石巻市門脇町。2012年2月3日撮影。旧北上川の堤防は造り直され、浸水の被害は収まっている(写真:日経コンストラクション)

2011年5月2日に撮影した旧北上川沿いの様子。道路が冠水している(写真:日経コンストラクション)
2011年5月2日に撮影した旧北上川沿いの様子。道路が冠水している(写真:日経コンストラクション)

 津波で破壊された建物の解体も進んできた。旧北上川沿いからJR石巻駅にかけての中心市街地では、広大な空き地が目立つ。


2011年5月2日に撮影した石巻市中央2丁目の路地(写真:日経コンストラクション)
2011年5月2日に撮影した石巻市中央2丁目の路地(写真:日経コンストラクション)

2012年2月8日撮影。上の写真と同じ路地を反対側から見たところ。「喫茶バー志保」は矢印の位置にあった。路地の両側にびっしりと並んでいた建物はすべて撤去され、空き地になっていた(写真:日経コンストラクション)
2012年2月8日撮影。上の写真と同じ路地を反対側から見たところ。「喫茶バー志保」は矢印の位置にあった。路地の両側にびっしりと並んでいた建物はすべて撤去され、空き地になっていた(写真:日経コンストラクション)

 石巻の産業を支える石巻漁港も、地盤沈下に悩まされている。11年11月に完成した仮設荷さばき場の前面は応急的にかさ上げしたが、それ以外の場所はいまだに浸水する。本格復旧は12年度以降になる見込みだ。


石巻漁港にある卸売市場の前。市内の浸水はほぼ収まったが、この付近だけはいまだに浸水する。海水面が岸壁の天端に迫っているのが分かる。2012年2月3日撮影(写真:日経コンストラクション)
石巻漁港にある卸売市場の前。市内の浸水はほぼ収まったが、この付近だけはいまだに浸水する。海水面が岸壁の天端に迫っているのが分かる。2012年2月3日撮影(写真:日経コンストラクション)