2012/02/22
福島県矢祭町は東日本大震災の復旧工事に伴って追加した工事を、随意契約の限度額に抵触したことから指名競争入札で発注したように装った。この偽装が報道機関などへの告発で発覚。同町は2月15日、同県警察本部棚倉警察署に経緯を説明し、関係書類を提出した。
偽装が発覚したのは、町道の復旧工事に伴って矢祭町が追加で発注した工事。町道の工事を進める過程で新たな損傷が見つかったほか、2011年9月の台風で町道に隣接する法面などが被災した。例えば、路面下に埋設した水道管の漏水などで路盤の土砂が緩んでいるのを発見し、新たに砕石を用いて埋め戻した。これらの工事は、震災復旧工事の建設会社に追加工事として発注した。
矢祭町の町道の復旧工事は国土交通省の補助を受けた事業。工事の数量などを追加する場合は、国土交通大臣の認定が新たに必要になる。同町は認定のための協議で工期が延びると考え、追加の工事は震災復旧工事を担当している建設会社に同町の単独事業として随意契約などで発注し、後で精算することにした。
2012年1月中旬に追加の工事を精算しようとしたところ、工事費が合計で586万4250円に上ることが判明。130万円以下と定める同町の随意契約の限度額に抵触することがわかった。
矢祭町の担当者は限度額を上回る随意契約の扱いを関係機関に問い合わせたが、通常は随意契約にできないとの回答しか得られなかった。
そこで、同町は震災復旧工事を担当する建設会社に指名競争入札で施工会社を決めた形にして精算したい旨を提示。2011年12月20日付の架空の指名通知を作成して同社に渡した。同社が各社の入札書を取りまとめようと、以前に震災復旧工事の入札に参加した会社に指名通知の文書などを配布。この一部が報道機関などに送付されて偽装が発覚した。
矢祭町によれば、限度額の130万円を上回っていても工事に緊急性が認められれば随意契約での発注も可能だったという。関係機関に担当者が問い合わせた際、発注の状況を十分に説明できずに緊急時の扱いに対する回答が得られなかった。「結果として不正な手続きをとってしまい、申し訳ない」と同町は説明する。
町道の震災復旧工事は2011年7月、町内の建設会社7社を対象に指名競争入札で発注。2331万円で入札した会社が落札した。工期は2011年7月8日から2012年1月31日まで。追加で発注した工事も含めて、2012年2月10日までにすべての工事を終えている。
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