ケンプラッツ読者を対象に実施した資格実態調査で、技術士(建設部門)、同(総合技術監理部門)に続いて「取りたい資格」の3位に入ったのは「コンクリート診断士」だ。回答数は165で、土木が104、建築・住宅が61と、両分野の実務者から支持を得た。最も役立つ資格でも土木分野で3位に入っている。コンクリート診断士を「最も役立つ資格」とする理由を自由意見を基に分析した。

 役立つ資格として既に紹介した技術士一級建築士と違っていたのは、「補修設計が増えている」「リニューアル工事が増加する」といった声が寄せられた点だ。今後、成長する改修市場に対応するための資格として注目を集めている。高い評価には、“期待感”も含まれていると言えそうだ。

 最も多いのは、「診断業務に必要」「資格がないと診断業務ができない」など、仕事に必要というものだ。コンクリート診断士は、一級建築士のような法定独占業務がある資格ではない。しかし、「発注者から資格要件として示される」「資格証の提示を要求される」「調査報告書にコンクリート診断士の考察を入れるよう求められる」など、受注や業務実施の際に必要となる場面があるようだ。

 「職場に1人しかいないので重宝されている」「打ち合わせなどをスムーズに進めることができる」など、資格があることで信頼や評価が得られるとする回答も多かった。一方で、「トラブルがあったときに、矢面に立たされる」という“辛い”コメントもあった。これは役立っている理由なのか疑問ではあるが、専門家として頼りにされている表れと解釈したい。このほか、自身の知識の蓄積に役立ったという意見も複数あった。

 コンクリート関連の資格では、コンクリート技士とコンクリート主任技士にも「最も役立つ理由」として、少数ながらコメントが寄せられた。資格取得の際に学んだことが実務でも役立っているという主旨の声が目立った。