2011/11/14
福島県内の工場で造った鋼製の橋桁をめぐって、地元の住民が放射性物質による汚染を懸念。橋桁の架設工事を中断した問題で、発注者の大阪府は11月8日、橋桁を除染して工事を再開する方針を決定した。地元の理解を得たうえで再開する。
工事を中断しているのは、大阪府が発注した「一般国道(新)371号(仮称)出合(であい)第1橋梁上部工事」。大阪府河内長野市で建設中の天見(あまみ)バイパスと国道371号との連絡道路に架ける。一般競争入札で発注し、1億5110万円の予定価格に対して矢田工業(福島県郡山市)が1億2451万5300円で受注した。工期は2009年5月から2012年2月まで。
出合第1橋梁は、耐候性鋼材を用いた2径間の連続非合成箱桁橋。橋長は55mで、幅員は8m。橋桁は福島第一原子力発電所から約50km離れた同県内の工場で造り、2月25日に工場の敷地内で組み立て検査した後、分解して屋外で保管していた。3月に福島第一原子力発電所の事故が発生してからも、同じ状態で保管を続けている。
橋桁は、下部構造の完成を待って2011年8月下旬から架設に向けて工事を始める予定だった。これに先立って7月末、地元で説明会を開催したところ、住民の一部から原発事故に伴う放射能汚染を不安視する声が上がった。
住民の不安を重視した大阪府は、工事をいったん中断して橋桁に付着した放射性物質の量や放射線量を調査。橋桁の部材の一部を使って除染実験も実施した。さらに、「国道371号における橋梁の放射能問題に関する有識者会議」(座長:大阪大学大学院工学研究科の山本孝夫教授)を設置。安全性の評価や今後の対応に意見を求めた。
大阪府が調査した橋桁の放射線量は、9月1日時点で1時間当たり0.08μSv(マイクロシーベルト)。放射性物質の量は1cm2当たり7.88Bq(ベクレル)だった。箱桁を構成する添接板を用い、工場の建物の中で測定してわかった。
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