上野動物園(東京・台東)では、ジャイアントパンダの来日にあわせてパンダ舎を改修した。その際、観客がパンダを見やすくするために様々な工夫をこらした。
屋外運動場と観客との間にあった幅1mほどの植え込みは除去した。観客は、ガラスにぴったりついてパンダを見ることができる。
室内運動場の観客用の通路は、運動場に向かって低くなるよう10分の1の勾配をつけたスロープだった。これを3段の階段状にした。東京都 東部公園緑地事務所 工事課の田中進 動物園整備担当課長は、「後ろの人や、車椅子とベビーカーの利用者も見やすいようにした」と話す。
野生のパンダは、主に中国中西部の高山地帯に生息していて涼しさを好む。しかし、だからといってパンダが冷たい床を好むわけではない。四つの室内運動場には、観客から近い場所に床ヒーターを設置して、パンダが観客から見やすい位置まで来るように配慮している。