国土交通省は6月28日、高速道路の無料化実験を開始した。対象になっている全国37路線50区間の初日(28日)の交通量が、実験が始まる前の月曜日(21日)と比較して、平均で79%増加したと6月29日に発表した。長さ1km以上の渋滞は4区間で生じた。

 午前零時から正午までの12時間の増加率は63%で、午後の増加率の方が高かった。国交省道路局高速道路課によれば「当日の報道などで、実験が始まったことが周知されたことが原因の一つとして考えられる」。

 無料化実験の対象となる50区間すべてで交通量が増加した。増加率が最も高かったのは、東北中央自動車道(山形上山~山形中央)で、約3.8倍になった。増加率が最低だったのは青森自動車道(青森中央~青森ジャンクション)で、7%にとどまった。

(資料:国土交通省)
(資料:国土交通省)

 渋滞は、走行速度が時速40km以下の列と定義して計測した。長さ1km以上の渋滞ができたのは、4区間。沖縄自動車道(許田~那覇)で6.0km、広島呉道路(仁保~呉)で3.5km、武雄佐世保道路(武雄ジャンクション~佐世保中央)で3.4km、京都縦貫自動車道(丹波~沓掛)で1.2kmだった。ただし、西日本高速道路会社広報室によれば、沖縄自動車道と武雄佐世保道路は事故を伴う渋滞で、交通集中だけが原因の渋滞は2区間にとどまった。