初年度の高速道路無料化は、37路線、50区間――。国土交通省は2月2日、2010年度に実施する高速道路無料化の社会実験計画案を公表した。交通量が少ない地方路線を中心に合計1626kmの区間で実施する。首都高速、阪神高速を除いた高速道路総延長の約18%に当たる。社会実験は6月をめどに始める。

 無料化は「社会実験」の位置付けで、地域経済への効果、渋滞や環境への影響を把握することが目的。前原誠司国交相は会見で、「すべての影響を判断し、最終形を決めていく」と語り、社会実験の結果を踏まえた上で、今後の無料化を進める考えを示した。

 具体的な無料化の対象路線は、道東自動車道、山形自動車道、舞鶴若狭自動車道、山陰自動車道、松山自動車道、東九州自動車道、沖縄自動車道など。多くは、一部区間が対象だ。対象車両は全車種で、自動料金収受システム(ETC)を使わない現金利用者を含む。実験期間は2011年3月末まで。料金システム改良などの準備状況を見ながら実験開始日を決める。

2月2日、高速道路無料化の社会実験について説明する馬淵澄夫副大臣(写真:ケンプラッツ)
2月2日、高速道路無料化の社会実験について説明する馬淵澄夫副大臣(写真:ケンプラッツ)

 対象路線は、(1)休日上限1000円の割引制度による渋滞の発生頻度、(2)他の公共交通機関への影響、(3)有料・無料の連続性など高速道路ネットワークの状況――を考慮して選定した。新たな渋滞発生や他の公共交通機関への悪影響を避けるため、首都高速、阪神高速に加え、大都市間を結ぶ東名高速や名神高速などは対象外。本州四国連絡高速と東京湾アクアラインも対象外となった。