道路、ダム関連予算のポイント

 道路関係の予算は、12年までに供用する予定の事業に重点化した。新規事業は原則ゼロで、事業個所数をおおむね2割削減する。一方、高速道路無料化には、社会実験の経費として1000億円を計上した。概算要求段階の6000億円から大幅に圧縮した。対象路線など具体的な実施内容については、10年1月に国土交通省が発表する。

 ダム関係の予算では、直轄ダム建設事業が12.2%減の1316億円。10年度に実施する直轄ダム53事業を「継続」22事業と、「再検証」31事業に区分し、予算配分に差をつけた。継続事業は0.8%減の1033億円に対し、再検証対象の事業は38.0%減の282億円で必要最小限の所要額を計上した。一方で、「できるだけダムに頼らない治水」への政策転換に向けて、直轄河川改修事業は11.4%増の997億円を計上した。

総額2.2兆円の新たな交付金を創設

 行政刷新会議が11月に実施した「事業仕分け」の判定結果も予算に反映した。農道整備事業や国土・景観形成事業推進調整費を廃止。関西国際空港への補給金は16.7%減の75億円、都市再生機構への出資金は88.2%減の61億5000万円とした。

 地域主権の確立に向け、自治体の裁量が大きい新たな交付金を創設することも打ち出した。既存の補助金を統合する形で総額2.2兆円の「社会資本整備総合交付金(仮称)」を創設する。これまでの個別補助金は原則として廃止する。自治体が計画を作成し、国交省所管の各公共事業を自由に選べるようにする。下水道や市街地整備などの補助金は、新設の交付金に移行する。

 維持管理に関する直轄事業負担金も原則、廃止する。経過措置として、特定の事業に要する費用について、10年度に限って負担金を徴収する。