前原誠司国土交通大臣をはじめ、2人の副大臣と3人の政務官からなる整備新幹線問題検討会議は12月15日、整備新幹線の未着工区間の整備方針などを提示した。

 当面の整備新幹線の整備方式は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が鉄道施設を建設し、JR各社が鉄道事業を運営する上下分離方式とする。建設財源は、鉄道機構の貸付料収入を充てて、残る経費を国と自治体が2対1の割合で負担する。財源の確保では、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)などによる民間資金の活用を検討する予定だ。

 着工に当たっての基本的な条件は、安定的な財源の見通しがあることや営業の収支採算性を確保できること、時間短縮の投資効果があることなどだ。そのほか、整備後の新幹線と並行する在来線をともに経営することは、営業主体のJRにとって負担となる場合がある。そのため、並行する在来線をJRの経営から分離せざるを得ないことがあり、その際は沿線の自治体に同意を得ることも条件として挙がった。

 また、並行する在来線の維持のあり方についても言及している。並行する在来線を経営から分離しても、JRには在来線維持のため、沿線自治体にできる限りの協力と支援を実施するよう求めた。

 現在整備中の整備新幹線については、予定通りの完成や開業を目指して着実に整備を進めるとした。建設物価の上昇で工事費が増額し、不足する財源については、入札や契約の改善によって工事費を削減しつつ、未着工区間の建設財源を優先したうえで確保する。