「国幹会議は国会軽視」

――国幹会議を廃止するということだが、馬淵副大臣としては問題点がどこにあり、今後どのような形が望ましいと考えているのか。

馬淵 国幹会議の廃止を大臣が明言されております。民主党のマニフェストにも明示しておりまして、国幹会議の問題点としては、国会審議の形式化というのがあります。国会審議で本来ならば、予算を前提として、道路整備も基本計画から整備計画の格上げも含めた計画そのものを議論しなければならないのに、数年に一度しか開かれないような国幹会議で、莫大(ばくだい)な予算付けが今後行われていく事業を決定してきた。国会審議はいったい何なのか、というのがわれわれの問題意識でありました。

 これに代わる今後の道路行政にかかわる機関、あるいは決定すべきプロセスというのはこれから慎重に検討を始めたいと思います。私も予算委員会で指摘してまいりましたが、事業評価のあり方そのものの抜本的な見直しを進めるべきだと考えておりますので、政務三役の中で議論を重ねながら、大臣のご指示の下、進めたいと考えております。

「新たな事業評価手法を考える」

――政治主導と公共事業について聞きたい。国交省は予算の配分や許認可などで非常に大きな権限を持っている。民主党の政治主導は公共事業においてどう違うのか。

馬淵 かつてのばらまきと呼ばれている公共事業、箇所付けも含めて、これは政治主導というよりも、政治が裁量的に行政を動かしていた部分がある。私は、裁量行政は際限がなくなってしまうという危険性があると指摘してまいりました。役所の問題であったり、政治家の問題があったりと、野党時代に厳しく追及してきたわけです。

 民主党が政権を担った時に、政治主導をどのように進めていくか。まずは事業評価などの明確な手法、プロセスの決定と開示です。これがなくしては、事業の決定が行えないという形でしっかりと決めていく。

 国幹会議は、国会審議をまったく無視したものでした。これは形骸化と言っておきましょうか。こうした仕組みで予算の成立日と同日に箇所付けがすべて行われて、すぐに債務負担行為として執行官から執行されていく。実施計画に落とし込まれ、執行される。基本的には、長年の与党の政治の中で予算が覆ることは前提にされていなかったんですね。だから一切の計画もある意味、形骸化して審議が行われてきた。

 そうではなくてわれわれは、新たな事業評価というものをしっかりとつくり込んでいく。国が中心となるだけでなく、様々な民意を反映する仕組みも検討の余地としてあるでしょう。地方自治体の意見を吸い上げるといった方法も検討の余地があると思います。

 これは私自身の考えとして申し上げたことです。今後は政務三役、大臣のご指示の下に、この事業評価というプロセスをしっかりとつくり上げていく。これこそが、政治主導として、国民の前に分かりやすい形で提示できる方法だとは思っています。