馬淵澄夫国土交通副大臣は10月6日の就任会見で、道路行政の見直しの必要性を強調した(写真:ケンプラッツ)
馬淵澄夫国土交通副大臣は10月6日の就任会見で、道路行政の見直しの必要性を強調した(写真:ケンプラッツ)

 民主党政権が急ピッチで進める公共事業見直しは、各方面で物議を醸している。焦点の一つが、道路行政の見直しだ。民主党のマニフェストの目玉政策である高速道路の無料化に加え、高速道路計画を審議する国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)の廃止、高速4車線化事業の補正予算執行停止など、矢継ぎ早に政策転換を打ち出している。

 道路行政見直しのキーパーソンは、馬淵澄夫・国土交通副大臣だ。10月6日に行われた就任後初の記者会見では、補正予算見直しの作業段階だったこともあり、慎重な物言いに終始したが、道路整備のあり方については「少子化、高齢化、財政悪化の中、新たな道路政策の哲学を形づくる」「今までの仕組みとは違う、延長上ではない中でつくっていかなければならない」と意欲を表明。道路建設の「新たな事業評価手法もつくっていく」と強調した。

 馬淵副大臣が持つ問題意識は何か。どのような方向に道路行政を転換しようと考えているのか。6日の就任会見での報道陣との主なやり取りを、以下で振り返る。(ケンプラッツ編集部)


馬淵国交副大臣 副大臣就任後、初めての会見ということで少し遅れましたが今日、会見をさせていただきます。9月18日に副大臣に就任後、本日で19日が過ぎました。

 野党時代、この国土交通省、私は委員会で様々な質問をしてきた関係省でございますが、今こうして省の一員として仕事をさせていただき、また各当局の方々と議論を重ねながら、今抱えている課題についての取り組み、全身全霊をかけて役所の皆さんと一緒に新たな船出をしたという思いでいっぱいです。例えて言うならば、予算委員会と選挙が同時に来たような忙しさの中で、前原大臣のご指示の下、国土交通省として新たな政策を推進していく、そういった決意を持って取り組んでおります。

 今日はご質問を中心にお答えさせていただこうと思っておりますが、私は省内でのごあいさつで申し上げたように、公共事業のあるべき姿、新たな税金の使い方ということを、われわれ国土交通省がしっかりと中心になって率先して示していこうと。これが求められると思っております。

 国家の背骨を形づくることが私たちの役割であります。前原大臣を中心に、大臣がおっしゃっている三つの課題。少子化、高齢化、そして財政悪化、こうした三つの課題に対して真摯(しんし)に取り組みながら、成長戦略もさることながら、国家の背骨を百年の計としてしっかりと形づくる。このことが鳩山政権の中での国土交通省の役割だと自認しております。しっかりと取り組ませていただきたい、こういう風に思っております。