国土交通省の馬淵澄夫、辻元清美両副大臣と3人の政務官は10月9日、そろって会見し、2009年度補正予算の執行を停止する事業の内訳を初めて公表した。高速道路6区間の4車線化や東京外かく環状道路の新規着工は凍結。一方、整備新幹線や羽田空港C滑走路延伸は継続する。分野別に明暗が分かれた格好となった。ただし、線引きの基準は不明確だ。
09年度補正予算の見直しは、民主党が衆院選のマニフェスト(政権公約)に掲げていた。鳩山由紀夫首相が9月18日、全省庁に対して見直しを指示。各省庁が10月2日までに提出した削減額の合計は2兆5169億円で、目標の3兆円に届かなかった。鳩山首相は上積みを指示し、各省庁は9日に削減額を再提出した。最終調整を進め、16日に閣議決定する。
国交省補正予算は9170億円、4割が執行停止に
国交省の補正予算額2兆3321億円のうち、2日の一次回答では8875億円の削減額を提出。9日の二次回答で295億円上積みした9170億円の削減額を提出した。補正予算の約4割が執行停止になる。前原誠司国交相は13日の閣議後の会見で、二次回答後にさらなる上積みの指示はないことから、国交省分はこれで決まるとの見通しを示した。
分野 | 主な施策と事業内容 | 補正予算額 (億円) | 執行停止額 (億円) | 割合 (%) |
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道路 | 「国土ミッシングリンク」の結合 ・東京外かく環状道路(関越~東名間)など高速道路4区間の新規着工 | 1441 | 66 | 4.6 |
交通の安全確保対策 ・関越道上越線(信濃町~上越JCT)など高速道路6区間の4車線化 | 3127 | 2613 | 83.6 | |
社会資本ストックの耐震化・予防保全対策 ・首都高速、阪神高速の耐震補強 | 1953 | 1211 | 62.0 | |
新幹線 | 整備新幹線整備事業 ・北海道、東北、北陸、九州、九州・長崎ルートの新幹線5路線の整備費 | 733 | 0 | 0 |
港湾・空港 | 羽田空港の容量拡大・機能強化 ・羽田空港C滑走路の延伸、鳥の衝突事故防止 | 66 | 9.5 | 14.4 |
一般空港整備など | 263 | 169 | 64.2 | |
大型船舶に対応した産業港湾インフラの刷新など | 860 | 300 | 34.9 | |
スーパー中枢港湾の機能強化 | 850 | 35 | 4.1 | |
建築・その他 | 官庁営繕事業 | 204 | 192 | 94.2 |
都市開発資金貸付金 | 2000 | 1325 | 66.3 | |
都市再生事業の緊急支援事業 | 1000 | 725 | 72.5 | |
住宅ローンの信用収縮対策など | 3530 | 2000 | 56.7 | |
国民の安全・安心を確保するための気象災害対策などの強化 ・ゲリラ豪雨対策 | 62 | 2.7 | 4.4 | |
国交省全体 | 23321 | 9170 | 39.3 |