コンクリート構造物を維持管理していくうえで必要な情報には、下の表に示したような項目がある。例えば、配筋の状況(鉄筋径や鉄筋間隔)やPC鋼材の配置状況などだ。これらのコンクリート中の情報を得るには非破壊検査が有効となる。

 目視観察からは、コンクリート表面の劣化状況を把握できても、内部の劣化状況は把握できない。表面観察から得られたデータだけでは、劣化予測など今後の維持管理計画を立案するデータとしては不十分だ。

 かぶりコンクリートをはつり出して内部鉄筋の腐食状況などを直接目視すれば有効な情報となる場合もあるが、はつり箇所の劣化状況はある一点の情報にすぎない。構造物全体の劣化状況を推測するには、ある程度広範囲にはつる必要がある。

 しかし、広範囲のはつりは構造物の耐久性能や耐荷性能を著しく低下させ、コストもかさむ。