内部でひび割れが進むことも

 水分が供給されやすい環境にある構造物のひび割れで、表面の変色やひび割れからの白色析出物がある場合は、アルカリシリカ反応によるものだと推測できる。

 ひび割れの形状は、無筋や鉄筋量の少ない構造物で亀甲状、RC(鉄筋コンクリート)桁で主鉄筋方向、PC(プレストレスト・コンクリート)桁でPC鋼材方向だ。

 アルカリシリカ反応は、骨材中の特定の鉱物とコンクリート中のアルカリ金属イオン、水分が反応することで、骨材の体積が膨張し、ひび割れが発生する現象だ。ひび割れは拘束されている方向に発生しにくいので、上記のような形状となる。

 コンクリート表面が内部の膨張力で盛り上がり、ひび割れ部分に段差が生じる場合もある。表面上は変化がなくても、内部の深い位置でひび割れが進行していることもある。

 寒冷地にある構造物の南面のように、1日の寒暖差が大きい部位で、表面が薄片状に剥離(スケーリング)している場合は、凍害が発生原因と推測できる。