隣の充填孔から施工品質を監視

 亜炭鉱跡の天端から流し込む端部材は、約20%の勾配を形成しながら固まる。流動性能や充填間隔などを加味して決めた性状だ。町の工事では端部材の充填間隔は8m、亜炭鉱跡の天端部で直径8mの仕上がりとなるように施工している。

 亜炭鉱跡の直上に構造物などの支障物があれば、斜めに削孔して注入する。充填時は、地下に水が満ちている可能性を念頭に入れ、水圧の2割増し程度の圧力を加えている。

 充填材が正確に注入されているか否かは、隣接する充填孔にセンサーを入れて監視する。センサーはアルカリ性の充填材に触れると電気信号を発し、充填状況を知らせる。

充填中の穴に隣接する充填孔を利用して、充填状況をセンサーで確認する。充填材のアルカリ性に反応して電気信号を送る仕組みだ。写真はセンサーを挿入する様子(写真:日経コンストラクション)
充填中の穴に隣接する充填孔を利用して、充填状況をセンサーで確認する。充填材のアルカリ性に反応して電気信号を送る仕組みだ。写真はセンサーを挿入する様子(写真:日経コンストラクション)

 さらに、充填部からは一定範囲ごとにコアを採取。圧縮強度などを確認する。町が発注した充填工事では、設計上の圧縮強度を20kN/m2とした。

 対して、「中詰め材は約100kN/m2、端部材は150k~200kN/m2程度の強度を確保できている」と、宅地地下の工事を担う飛島・大日本土木・御嵩重機JVの和田幸二郎所長は話す。