母材には脱水ケーキを活用

 広範囲にわたる空洞を確実に埋める流動性の高い充填材は、砂利工場や砕石工場で生じる脱水ケーキなどを用いた「キラ材」に、固化材と水を混ぜてつくる。放置すれば廃棄物となる材料を活用。有価物として充填材に使っている。

 「実質的なキラ材の価格は、運搬費用が大半を占める」と、飛島建設名古屋支店土木部の坂本昭夫担当部長は明かす。大量に必要なキラ材は、付近の複数の砂利工場や砕石工場から調達している。

 充填範囲を制御する壁の役割を果たすもう一つの充填材も、中詰め材と同様にキラ材を母材とした材料を使う。

 ただし、1m3当たり約50kgの水ガラスを加えてゲルタイムを10秒程度と短くし、充填エリアの端部の空洞を確実に埋め固める。

 中詰め材と端部材の違いは水ガラスの有無なので、両者の製造では同じプラントを使える。結果、合理的なプラント設計が可能だ。施工面では、機械設備などの共用も図りやすい。

充填材1m3当たりの配合例。数字の単位はkg(資料:飛島建設)
充填材1m3当たりの配合例。数字の単位はkg(資料:飛島建設)

キラ材を使って充填材を製造するプラント(写真:日経コンストラクション)
キラ材を使って充填材を製造するプラント(写真:日経コンストラクション)