町内各地で始まった対策工事

 工事では、削孔後に地上から充填材を流し込む。町役場周辺の避難施設が集まる地域は飛島建設・天野建設JVが、陥没リスクの高い宅地は飛島建設・大日本土木・御嵩重機建設JVが、それぞれ施工する。

民家の脇で充填材の施工を進める様子。構造物がある箇所では充填孔を斜めに削孔した後で充填材を流し込んでいる(写真:日経コンストラクション)
民家の脇で充填材の施工を進める様子。構造物がある箇所では充填孔を斜めに削孔した後で充填材を流し込んでいる(写真:日経コンストラクション)

 町はさらなる調査結果を踏まえ、現在工事中の宅地の南側や小学校の北側の一部での充填工事を追加で進める。宅地南側の9680m2の範囲は、既に飛島建設・国本起業JVと約6億8000万円で工事契約を終えた。これから施工を進めていく。

 町内で進む亜炭鉱跡の充填工事は、町が発注する事業だけではない。例えば、岐阜県が主体となる工事。県は町内を走る緊急輸送道路の多治見白川線で、道路下の充填工事を進めている。

 14年度には約4億6500万円をかけて延長約700mの区間で工事を終えた。今後、残り約600mの区間での工事を計画している。

 国土交通省多治見砂防国道事務所は、町内を東西に走る国道21号で、14年度にボーリング調査を実施。空洞が確認された一部区間では、充填による対策を講じた。15年度以降も調査と対策を進めていく。