10分超の時間短縮を生む300mの線路

 「仙石東北ライン」の列車が走る仙石線と東北本線の接続線は、両線が隣接する仙石線の松島海岸─高城町間、東北本線の塩釜─松島間に新設された。接続線の延長は約300mで、鉄道事業法上は東北本線に属する。工事区間の延長は約700mで、施工は仙建工業(仙台市)。事業費については、JR東日本は非公表としている。

東北本線に設けられた接続線への分岐付近を走るHB-E210系。列車の右側に見えているのが接続線だ(写真:小佐野カゲトシ)
東北本線に設けられた接続線への分岐付近を走るHB-E210系。列車の右側に見えているのが接続線だ(写真:小佐野カゲトシ)

 JR東日本東北工事事務所によると、接続線を設ける場所として同区間が選ばれたのは、両線が最も接近する場所であるのはもちろんのこと、石巻に近いことも理由だ。両線が接近する区間は他にもあるが、仙石東北ラインの運転は石巻─仙台間の時間短縮を主眼としているため、駅間が長く列車のスピードが速い東北本線に、石巻側からなるべく早く乗り入れ可能な場所が選ばれたという。

東北本線塩釜─松島間・仙石線松島海岸─高城町間に設置された接続線のイメージ図(現場取材などをもとに小佐野カゲトシが作成)
東北本線塩釜─松島間・仙石線松島海岸─高城町間に設置された接続線のイメージ図(現場取材などをもとに小佐野カゲトシが作成)