車の軌跡から異状を探る

 画像解析技術の活用で東芝と協力するオリエンタルコンサルタンツは、道路上に設けたテレビカメラから得られた動画を用いて、インフラの異状を把握できるような技術の開発に取り組んでいる。

 既に、神戸市と埼玉県上里町で実証試験を進めているところだ。トンネル内やトンネルの近くに動画を撮影できるカメラを設置。トンネル内やトンネル付近を走る車の軌跡を動画から解析して、道路内に生じた異状などを把握する狙いがある。

上の図はトンネル内に設置したカメラの配置。下はそれぞれのカメラが撮影した画像。撮影した素材から車の軌跡の異状を検出し、道路に生じた異状などを見つけ出す(資料:オリエンタルコンサルタンツ)
上の図はトンネル内に設置したカメラの配置。下はそれぞれのカメラが撮影した画像。撮影した素材から車の軌跡の異状を検出し、道路に生じた異状などを見つけ出す(資料:オリエンタルコンサルタンツ)

 解析には、東京大学生産技術研究所の上條研究室が開発した技術を応用した。映像を格子状に分割し、格子に収められた画像の動きを解析。その情報から車の動きを認識する。

 トンネル内に異物が落ちていたり、冠水部分があったりすれば、車が回避行動などを取る。こうした通常の動きと異なる動きを検知して、道路管理者に通知を出す仕組みだ。

 築20年、延長100m以下のあるトンネルで実証を試みる神戸のケースでは、異物の回避などで生じる車線のはみ出しなどの検知に期待する。