動画からひび割れ率を自動算出

 道路のような延長が長いインフラの場合、効率的な点検・診断には、移動しながら取得できる動画の活用が不可欠だ。そうしたニーズを見越し、動画を高速で解析して劣化状況を分析する技術も姿を現してきた。

 東芝は、車で道路を走行する際に動画で路面を撮影。その動画をもとに、路面のひび割れ率を自動算出するシステムの開発に力を入れる。

東芝が開発する道路のひび割れ率を自動で算出するシステムのサンプル画面。動画上にひび割れを描画できる(資料:東芝)
東芝が開発する道路のひび割れ率を自動で算出するシステムのサンプル画面。動画上にひび割れを描画できる(資料:東芝)

 カメラは車内外の道路が見える任意の場所に設置可能で、斜めから路面を映した動画を真上から見た映像に変換できる。動画上には判定したひび割れを描画。路面を50cm角に区切って、ひび割れ率をはじき出す。

 路面のひび割れは、撮影された画像の輝度の分布から判断する。路面にひび割れがある場合、そこが周囲に比べて急激に暗くなったり、砂が詰まって顕著に明るくなったりする特徴に着眼した。車の自動ブレーキシステムなどに採用される画像解析技術を活用している。

 ひび割れの有無を判断するうえで、道路の点検・診断の知見が豊富なオリエンタルコンサルタンツに協力を求め、同社の知見を取り入れた。