テキスト情報を加えて改良

 これらの視点から画像が類似している度合いをコンピューターで計算。別の現場などで得られた画像から、類似した画像をその類似度の高い順に表示できるようにした。

 検索された画像にひも付けされた診断結果のデータなどを参考にして、劣化状況の正確な判断に役立てる。

 同社ではベテラン技術者と若手技術者を通して、システムの実証試験を実施。使い勝手などを確かめた。

 その結果、若い技術者の方がシステムに対してより高い有用性を認めたという。経験の浅い技術者を支援するという開発の目的にかなっていることを確認できた格好だ。

 ただし、課題も残る。コンクリート橋の検索結果の妥当性が、鋼橋の場合の半分以下にとどまったからだ。「鋼橋の代表的な劣化現象は腐食なので判断しやすい。一方、コンクリート橋の劣化形態は壁面に表れる違いが小さく、見た目で判別するのが難しいケースが少なくない」(東日本高速関東支社技術企画課の中村滋課長代理)。

 こうした点を改善するために、写真と結び付けるテキスト情報などを参照しながら画像検索を実施するシステムへの改善を図っている。2015年度内には改善したシステムを用いた検証を進める計画だ。