新年明けましておめでとうございます。長らく“低空飛行”が続いていた建設産業ですが、ここ数年は土木関連の公共事業が急増し、市場の盛り上がりを肌で感じている方が多いのではないかと思います。

 2015年は建設産業にとってどのような年になるのでしょうか。それを占うべく、日経コンストラクションでは2015年の新春に当たり、特集「2015年の土木界」を企画しました。新たなプロジェクトや制度など、今年は土木界に多くの動きがありそうなことから、特集記事は1月12日号と1月26日号の2回に分けてお送りします。「前編」の1月12日号では、「経済活性化」「労務・人材」「国際化」の三つをテーマを掲げ、今年の動きを予測しました。


日経コンストラクション2015年1月12日号特集「2015年の土木界・前編」から
日経コンストラクション2015年1月12日号特集「2015年の土木界・前編」から

 今年はまず、プロジェクト関連の話題が盛りだくさんです。3月には首都高速中央環状品川線が開通し、首都圏3環状道路の1本目のリンクがつながります。鉄道では、同じく3月に北陸新幹線が長野駅から金沢駅まで延伸するほか、東京駅と上野駅をつなぐ東北縦貫線(上野東京ライン)も開業します。

 これから建設が本格化するインフラも目白押しです。東京外かく環状道路の都内区間や、リニア中央新幹線の工事がいよいよ本格的にスタートします。北海道新幹線では全線開業時期の前倒しも見据え、新函館北斗よりも北の区間でトンネル工事が盛んになっていきます。

 一方、建設産業が抱える課題の解決に向け、いくつかの制度も動き始めます。例えば、4月から始まる外国人建設就労者受入事業は、担い手不足解消の一助となるかが注目されます。仙台空港や関西国際空港・大阪国際空港(伊丹空港)では、運営権を民間に譲渡するコンセッションの手続きが始まっており、今年の夏前後に優先交渉権者が決まる予定です。

 特集記事では先の3テーマに沿って合計20のキーワードを挙げ、こうした動向を解説しました。一つのキーワードをそれぞれ1~2ページで紹介していますので、2015年、そしてさらにその先に向けた動きを、ざっとつかんでいただけるのではないかと思います。

 日経コンストラクションでは引き続き、土木界の「いま」と「これから」を、様々な切り口でお伝えしたいと思っています。本年も日経コンストラクションをよろしくお願いいたします。