市長とのまち歩きでPR

 同システムの本格導入に当たり、日本マイクロソフトは市からフィーを受け取れなかったものの、マイクロソフトとセールスフォース・ドットコムが戦略パートナーシップを結んでいる点や、システム開発の新しい市場を切り開いた点で、実験での開発協力には一定の成果があったと考えられる。

 市は、この仕組みを普及させるための取り組みを進めている。例えば、10月26日には市長と市民が一緒にまち歩きをしながらシステムを使ってみる場を企画した。さらに、14年11月から15年2月にかけて、市民向けの出前講座も開く。取り組みに参加できる市民を10人ほど集められた場合に、市の職員がスマートフォンの操作方法などを指導する。

千葉市はシステムを広く知ってもらう狙いで、市民とのまち歩きも企画した(資料:千葉市)
千葉市はシステムを広く知ってもらう狙いで、市民とのまち歩きも企画した(資料:千葉市)

 日経BP社は10月22日、将来のインフラ市場の動向を豊富な事例に基づいて分析・解説した「2025年の巨大市場/インフラ老朽化が全産業のチャンスに変わる」を発行した。

 同書では、本記事で紹介した千葉市の取り組みのほか、長崎県内で市民がインフラ点検を実施する取り組みなども記している。住民を活用した取り組みのほかにも、インフラ管理における先進的な民間委託の動向について、実例をもとに紹介している。