スマホ片手に市民が報告

 いわゆる生活道路をはじめとした身近なインフラでの官民連携は、インフラ管理者がその管理責任の根幹を維持しながら、維持管理業務を部分的に民間委託するようなケースにとどまる可能性が高い。全体の管理に要するコストが莫大になりかねず、収益が見込みにくいからだ。

 一方、生活に密着したインフラであれば、市民に協力を仰ぐことが一つの解決策になる。自ら利用する身近なインフラであれば、市民がボランティアとして手を挙げてくれることを期待できる。加えて、日常的にインフラを監視・点検してもらえるので、変状などを早期に発見できる可能性も高まる。

 そうした取り組みを始めたのが千葉市だ。同市は2014年9月から市民が日常生活において発見した道路などの異状を、スマートフォンといった端末を用いて市に報告してもらう「ちば市民協働レポート(ちばレポ)」と呼ぶ取り組みを本格的に開始した。

千葉市はウェブサイトを通じて市民によるインフラ監視システムの本格導入を告げた(資料:千葉市)
千葉市はウェブサイトを通じて市民によるインフラ監視システムの本格導入を告げた(資料:千葉市)