日経コンストラクション7月28日号では、前号(7月14日号)に続いて、発注者にスポットを当てた特集をお届けします。タイトルは、「ここがおかしい発注者」――。

 受注者は日ごろ、発注者に対して多くの不満を抱いています。「工事の一時中止に伴う追加費用を支払ってもらえない」、「現場条件が設計と異なっていても設計変更に応じてくれない」、「会計検査院の指摘を気にして代替案が認められない」など、特集記事では受注者の生の声を取り上げ、取材しました。


日経コンストラクション2014年7月28日号特集「ここがおかしい発注者」から
日経コンストラクション2014年7月28日号特集「ここがおかしい発注者」から

 受発注者の関係は、以前に比べれば良好になってきていると感じます。例えば、発注者・設計者・施工者が一堂に会する「三者会議」の開催、「ワンデーレスポンス」の導入など、受発注者間のコミュニケーションは充実してきたと言えるでしょう。ただ、それらが効果を発揮しているとしても、受注者の不満はなくなっていません。

 不満の根源は、発注担当者個人の資質にあることもあれば、制度や慣習にある場合もあります。後者について、解決の一助になると期待されているのが、今年5月の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)の改正です。法律の目的に「担い手の中長期的な育成および確保」が加わり、受注者が適正な利潤を確保できるように発注者が配慮する内容となっています。

 改正品確法に基づき、国が年内の作成を目指している「運用指針」に、ある程度、具体的な方策が示される予定です。同法によって発注者の「無理難題」がなくなり、受発注者間の関係改善が進むのか、あるいは形だけで終わってしまうのか。注目していきたいと思います。

 さて、前号の特集では、受注者に対して実施したアンケートをもとに、発注者の技術力やマネジメント力をランキングしました。今号は引き続き、受注者による「今後、一緒に仕事を“したくない”発注機関」のランキングを掲載しました。その結果にもご注目ください。