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編集長が語る日経コンストラクションの見どころ

企業経営を揺るがす「設計ミス」

2014/05/09

 構造物の施工中または完成後に設計ミスや施工ミスが発覚し、手直し工事が必要になる場合があります。その費用は、ミスをした設計者や施工者が負担することが少なくありません。

 そんなとき、より苦しい立場に立たされるのは設計者(建設コンサルタント会社)です。工事に比べれば受注金額が小さく、企業の規模も建設会社に比べて小さいところが多い。大掛かりな手直しが必要になれば、受注した設計の金額よりもはるかに多額の支出を迫られるケースもあります。設計ミスには、会社の経営をも揺るがすリスクが潜んでいると言えます。

 日経コンストラクションの5月12日号では、そうした設計ミスのリスクを改めて浮き彫りにしつつ、ミスの防止に効果的な対策をまとめるために、特集「悪夢の設計トラブル」を企画しました。


日経コンストラクション2014年5月12日号特集「悪夢の設計トラブル」から

 特集の冒頭で、阪神高速大和川線での事例を取り上げました。発注者の大阪府と、設計を担当した日本シビックコンサルタントとの間で生じたトラブルです。府は、コンサルタントの「設計ミス」によって工事に追加費用が発生したと主張しているのに対し、日本シビックコンサルタント側は真っ向から反論しています(トラブルの詳細については本誌をご覧ください)。今後は法廷闘争が繰り広げられる可能性も高そうです。

 特筆すべきなのは、府がコンサルタントに対して、工事の遅延や追加工事にかかる費用を請求していて、それが数億円に上るとみられる点です。一方、設計の受注金額は約2800万円。文字どおり、「桁違い」の金額を要求されているわけです。このケースが設計ミスに当たるか否か、現時点で判断は示されていませんが、設計ミスが企業経営を揺るがす恐れがあるということを、改めて知らしめた事例だといえるでしょう。

 このトラブルは、設計をめぐる役割分担や責任の所在についての課題がクローズアップされたケースでもあります。設計前の条件設定は十分だったのか。仮に設計ミスだったとして、そのミスを見逃した発注者に責任はないのか――。昔から繰り返し言われてきた問題ですが、こうした事例をきっかけに、改めて考えていかなければならないと思います。

野中 賢=日経コンストラクション編集長日経コンストラクション

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