土木の世界では資格が物を言います。そのせいか、土木分野の資格は乱立気味。取得時だけでなく更新にも費用がかかる場合が少なくなく、本当に必要な資格を見極めて取りたいと考えている人が多いと思います。

 日経コンストラクション1月27日号の特集「資格で広げる新たな商機」では、主要な建設会社、建設コンサルタント会社にアンケート調査を実施し、各社が考える「使える資格」とは何なのか、探りました。


日経コンストラクション2014年1月27日号特集「資格で広げる新たな商機」から
日経コンストラクション2014年1月27日号特集「資格で広げる新たな商機」から

 「受注機会の増加に役立っている資格」として多く挙がったのは、建設会社では一級土木施工管理技士や技術士(建設部門)、建設コンサルタント会社では技術士の建設部門や総合技術監理部門。本誌は06年と10年にも同様の調査を実施しましたが、これらの「ツートップ」はいずれも不変で、妥当な結果に落ち着きました。技術者個人としても、まずはこれらの資格の取得を目指すのが、昔も今も王道と言えるのでしょう。

 一方、資格の価値は受注に役立つか否かだけではありません。特に、最近は土木の周辺分野に仕事の領域が広がってきて、新たな分野の資格を取る人も増えてきました。記事では、土壌汚染調査技術管理者や登録ランドスケープアーキテクトなどを取得した技術者の「資格の生かし方」も紹介しました。受注の際の要件になっていなくても、資質や能力をアピールするのに有効なケースは多いようです。

 特集の後半では、「土木関連資格ガイド2014」として、技術士、コンクリート診断士をはじめとした24の資格について、今年の試験スケジュールや直近の合格率、出題傾向などを掲載しています。

 また、今号から新たに二つの新連載を開始しました。

 一つは、「クイズ 維持・補修に強くなる」。昨年秋まで約30回にわたって連載した「図解 維持・補修に強くなる」を新装しました。維持管理や補修・補強の勘所をクイズ形式で学べるコラムです。コンクリート診断士の試験で合否を分けると言われる記述式問題の対策としても有効です。

 もう一つが、「ドボク模型プレゼン講座」です。藤井基礎設計事務所(松江市)の藤井俊逸専務を講師に迎え、身近な材料で作れる「ドボク模型」を使ったプレゼンテーションのコツをお伝えします。若手の教育や、一般市民に向けて土木技術の役割や効果について説明する機会が増えている昨今ですが、その際のヒントにしていただければと思います。