エス・エス・ティーの土屋社長(写真:日経コンストラクション)

 いわばフリーランスのシニア技術者をネットワーク化して、土木構造物の点検・調査に特化した事業を展開するのはエス・エス・ティー(東京都台東区)。清水建設の土木技術職だった土屋郁夫社長は01年に50代半ばで退職後、事業を興した。

 地域の建設コンサルタント会社から請け負う橋梁などの点検・調査が事業のメーンだ。社員は3人で、土屋社長自らもプレーイングマネジャー。学生時代や建設会社時代からの知人で既に退職した技術者たちを案件ごとに“相棒”として招き、主に関東圏内を飛び回っている。

点検作業の様子。橋梁点検では、旧知の退職技術者たちを案件ごとに“相棒”として招いて、一緒に活動する(写真:エス・エス・ティー)
点検作業の様子。橋梁点検では、旧知の退職技術者たちを案件ごとに“相棒”として招いて、一緒に活動する(写真:エス・エス・ティー)

 自治体、なかでも市町村が委託する点検・調査業務は、発注金額は数百万円レベルでも対象件数は非常に多いといった場合も少なくない。元請けの手が回らない状況にこそ、アウトソーシングのニーズがある。

 「維持管理分野では、こうしたアウトソーシングのニーズは今後も増えるだろう」。シニアの知見を生かせる場も、さらに拡大すると土屋社長は考えている。