「土木専攻でも土木系の仕事に就かない学生が増えている」。大学の教員からは近年、こんな声が上がっている。首都圏の大学・大学院で土木を専攻する学生に、将来の仕事感を聞いてみた。土木本来の魅力に決して無関心ではないことも分かった。

 「土木学部」や「土木学科」が減った──。「環境」や「都市工学」といったキーワードを加えた新しい学部名称に衣替えするケースが近年、多くの大学で浸透。こうした大学の土木系教員からは、次のような声が上がっている。「土質など、伝統的な土木系の科目に興味を持たない学生が増えた」、「土木系の仕事を選ばず、金融など他分野に就職する人も多い」といった声だ。

 土木専攻の学生と言えば、かつては「=土木技術者の卵」。その構造は確実に変化している。土木業界にとって、深刻な問題であることは疑いない。今の土木系学生は将来の仕事や働き方にどんな考えを持っているのか?──。学部などの名称変更を近年実施した首都圏の大学・大学院3校に通う8人に、将来の志望に関する思いを聞いた。