大成建設のような取り組みは、手法の差はあれ、業界にじわりと広がっている。こうしたなかで、若手の女性技術者は仕事や将来にどんな思いを抱いているのか?──。
大林組の安藤規子氏は、首都大学東京で学び、施工管理の仕事を志望して10年に入社。大阪市内の高速道路工事現場を経て、昨年7月から、同社が大本組とJVで進める「千住関屋ポンプ所建設工事」の現場にいる。雨水ポンプ施設をニューマチックケーソン工法で新設する工事だ。
JVの土木技術職は全体で14人。紅一点の安藤氏は、配属当初から型枠支保工の施工計画などを担当している。現場ではこの7月半ばに、ケーソン構築で最初のロットとなるスラブ打設が完了した。「1年掛けて組み上げた型枠支保工が実際に効力を発揮したのを見て、思わず涙が出た」と安藤氏は嬉しそうに語る。