長期展望を描きにくい女性技術者
「女性技術者の多くが抱える悩みは、キャリアを考えるうえで周囲にロールモデルが少なく、長期展望を描きにくいこと」。土木技術者女性の会の桑野玲子会長(東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター教授)は、こう話す。
同会は、土木学会の女性会員たちが1983年に設立。現在は約200人の会員が、主に地区ごとに勉強会や現場見学会、学生向けセミナーといった活動を続けている。会員同士の交流は、特に若手層の悩みである「ロールモデル不足」を間接的に補うことにもつながっている。
「戦力として男女差にこだわらない傾向は、雇用側にかつてより浸透してきたと思う。人手不足に悩む地方の中小クラスなど、積極的に求める会社もある」(桑野会長)。