人手不足が慢性化する一方、東日本大震災以降に際立って増えてきた仕事量。土木技術者が働く環境では、厳しい状況が続く。そうしたなか、組織を挙げて従来の働き方を見直し、生活全体の満足度向上を模索する動きも生じ始めた。

■ 建設業就業者数の推移
[就業者数]
建設業就業者数の推移[就業者数](資料:総務省「労働力調査」、日本建設業連合会「建設業ハンドブック2013」)
[うち技術者数]
建設業就業者数の推移[技術者数](資料:総務省「労働力調査」、日本建設業連合会「建設業ハンドブック2013」)
(資料:総務省「労働力調査」、日本建設業連合会「建設業ハンドブック2013」)

■ 建設業就業者数の年齢別推移
建設業就業者数の年齢別推移(資料:総務省「労働力調査」、日本建設業連合会「建設業ハンドブック2013」)
(資料:総務省「労働力調査」、日本建設業連合会「建設業ハンドブック2013」)

 総務省の労働力調査では、建設業の就業者数は2012年までに、全体数、技術者数ともに直近ピーク時から約3割減少。「特に土木分野は人手不足と高齢化が顕著に進んでいる」。建設技術者の転職サービスを手掛けるオズペック(東京都港区)の瀧嶋誠司社長は、こう語る。

 下のグラフは、日経コンストラクションが読者を対象に実施した残業時間に関する調査結果だ。慢性化した人手不足と、仕事の負担増という実態がうかがえる。業界全体で厳しさが常態化するなかで、組織として働き方を見直す動きも生じ始めている。

■ 日経コンストラクション調査による1カ月当たりの残業時間実態
日経コンストラクション調査による1カ月当たりの残業時間実態(日経コンストラクション読者を対象に2013年6~8月の期間にアンケート方式で実施。回答数は564人で、内訳は総合・専門建設業が187人、建設コンサルタントが156人、発注者が110人)
日経コンストラクション読者を対象に2013年6~8月の期間にアンケート方式で実施。回答数は564人で、内訳は総合・専門建設業が187人、建設コンサルタントが156人、発注者が110人