大成建設の社員向け介護セミナー。参加者は40~50代が中心で、これまで主に首都圏と関西で開催(写真:大成建設)
大成建設の社員向け介護セミナー。参加者は40~50代が中心で、これまで主に首都圏と関西で開催(写真:大成建設)
ケアマネジャー向けに社内の支援策や休暇制度をまとめた資料(資料:大成建設)

 身内の介護負担が生じたら、今までの働き方を続けられるか?――。高齢化社会が本格化するなか、組織を挙げてフォロー策に乗り出す会社もある。

 大成建設は、3年前から年間2~3回の頻度で社員向けの介護セミナーを実施し始めた。そのメニューには、参加者が家族構成などから将来の介護負担が生じる確率を自ら検証するワークショップや、実際に家族の介護を行っている社員との意見交換などが盛り込まれている。

 そのほか社員向けの専用サイトで、利用できる社内外の制度や各地のケアマネジャー情報を提供。介護プランの検討時にケアマネジャーに示す社内制度をまとめた資料も用意した。介護を理由に退職した社員の再雇用制度も設けている。

 「介護負担といっても人によってパターンは様々。組織としては、仕事との両立を支援する仕組みづくりが必要だ。多くの不安は、何もかもが『よく分からない』ことなので、まずは事前の情報提供に力を入れている」。人事部人材いきいき推進室の塩入徹弥室長はこう話す。