日経コンストラクションでは毎年、9月上旬発行号の特集記事で、「建設会社・コンサルタント決算ランキング」を掲載しています。今年の各社の決算状況を眺めてみると、例年になく好調な数字が並びました。調査に回答した建設会社と建設コンサルタント会社のうち、2012年度の決算で「増収」だったところがそれぞれ3分の2。さらに、13年度についても、明るい見通しを持っている会社が多いことが分かりました。

 好調の原因の一つは震災復興の本格化。もう一つが、予算が重点的に配分された老朽化対策です。例えば、維持管理や補修の分野の売上高を見ると、建設コンサルタントでは上位10社中8社が、建設会社では上位10社中7社が、それぞれ同分野での増収を記録しました。各社は、他社との業務提携や新組織の立ち上げ、ニーズに合った技術の開発などで、「特需」に対応しています。9月9日号の特集「建設会社・コンサルタント決算ランキング2013 いよいよ来た攻めの好機」では、決算ランキングとともに、そうした各社の戦略を紹介しています。


日経コンストラクション2013年9月9日号特集「建設会社・コンサルタント決算ランキング2013 いよいよ来た攻めの好機」から
日経コンストラクション2013年9月9日号特集「建設会社・コンサルタント決算ランキング2013 いよいよ来た攻めの好機」から

 一方で、特需は永続するわけではありません。そこで、決算の数字が良い今こそ、攻勢に出ようとする会社も少なくないようです。その一例が海外進出。ODA(政府開発援助)以外の案件の受注活動に注力したり、ミャンマーやインドといった今後の注目国に拠点を構えたりなど、新しい動きも出始めています。国ごとにビジネスのやり方も異なり、花を咲かせるまでに時間がかかる分野であるからこそ、今のうちに種を仕込んでおくことは重要です。

 特集記事には独自調査をもとに、「国別の売上高ランキング」「非ODAの売上高ランキング」など、これまであまり表に出ていないデータも掲載しました。全体のランキングだけでなく、こうした盛りだくさんのデータもご覧いただければ幸いです。