一般市民に土木構造物の魅力を楽しんでもらい、公共事業への関心を高めてもらう──。「東京ジオサイトプロジェクト」(2003~04年)など、数々のユニークな土木イベントを仕掛けてきた山名清隆氏に、「市民の心をつかむコツ」を聞いてみた。

──巨大地下共同溝に能舞台を出現させたり、シールドマシンの発進式をイベント化したりして、話題になりましたね。

山名 清隆(やまな・きよたか) 1960年静岡県生まれ。国際博覧会ディレクター、情報誌編集長、テレビキャスターなどを経て、広報企画を手掛ける会社SCOP(スコップ)を起業。日本愛妻家協会事務局長も務める(写真:日経コンストラクション)
山名 清隆(やまな・きよたか) 1960年静岡県生まれ。国際博覧会ディレクター、情報誌編集長、テレビキャスターなどを経て、広報企画を手掛ける会社SCOP(スコップ)を起業。日本愛妻家協会事務局長も務める(写真:日経コンストラクション)

山名 最近は、市民参加型の交通安全プロジェクトに関わっています。首都高速道路が2007年夏から始めた「東京スマートドライバー」という企画。首都高での交通事故は06年度の時点で1万2000件ほどでしたが、それを運転マナーの向上で減らそうという、まあ運動ですね。

 参加方法は簡単です。ホームページ(http://www.smartdriver.jp/)で、安全運転に関する自分なりの決意を一言、書き込んでもらうだけ。それを参加者自身の「宣言」として、ホームページで公開します。さらに希望者にはステッカーを送って、自分の車に張ってもらう。

──それだけですか?

山名 基本はこれだけ。参加者は個人が12万人、法人が140社まで増えました。さらに具体的な活動としては月例ミーティングとか、年に何回かは首都高の施設見学やパレードみたいなイベントもやってます。