日経コンストラクションでは昨年3月26日号に、「伝わらなかった被災地支援」と題する記事を掲載しました。建設業界が、東日本大震災の復旧・復興に尽力したにもかかわらず、貢献に対する評価は一般の人から見て必ずしも高くなく、例えば自衛隊に対する評価に比べると“惨敗”だったという調査結果をお伝えしました。

 本誌に寄せられる読者からの投稿を見ても、公共事業に対する社会の目の厳しさや建設業界の社会的評価の低さについて、嘆く意見が目につきます。自分たちの仕事の意義に自信が持てず、建設業や土木の世界が魅力のないものになっていると感じる人が少なくないということなのでしょう。

 皆さんが土木の世界に足を踏み入れると決めたとき、土木に魅力や可能性を感じていたのではないでしょうか。当時とは社会情勢が変わった面があるかもしれませんが、我々が取材を通して見る土木の世界は、いまでも十分魅力的に映ります。

 その魅力や可能性を再認識してほしい――。そうした思いから、日経コンストラクションでは8月12日号で、特集「ドボクを元気にする12人」を掲載しました。


日経コンストラクション2013年8月12日号特集「ドボクを元気にする12人」から
日経コンストラクション2013年8月12日号特集「ドボクを元気にする12人」から

 芸能界屈指の“ダム愛好家”として知られる俳優の石原良純氏、著書「コミュニティデザイン」がベストセラーとなった山崎亮氏をはじめ、土木の「外」にいる人、「中」にいる人、合わせて12人にご登場いただきました。彼らへのインタビューなどを通じて、土木構造物や土木の仕事の面白さを改めて浮き彫りにしてみようという企画です。魅力や楽しさ、やりがいを感じるポイントは、人や立場によって違っていますが、共感していただける部分も多々あるのではないかと思っています。

 まだまだ暑い日が続きますが、そんななかで少しでも、お読みになった皆さんが元気になっていただければ幸いです。