2013年度の開通を目指す首都高速中央環状品川線の工事が佳境を迎えつつある。8kmもの長さの大断面トンネルを1台のシールド機で掘り、シールドトンネルの非開削接合にも挑む。従来の殻を打ち破る技術が競演している。

鹿島JVの施工現場。シールド機のそばまで運ばれたセグメントは、後続台車の内部に抱えられるようにストックされる。たて坑付近にも同様の設備があり、坑内に3リング分のセグメントをストックできる(写真:大村 拓也)
鹿島JVの施工現場。シールド機のそばまで運ばれたセグメントは、後続台車の内部に抱えられるようにストックされる。たて坑付近にも同様の設備があり、坑内に3リング分のセグメントをストックできる(写真:大村 拓也)

【本線トンネル】1台のシールド機で全長8kmを掘進

 首都高速中央環状品川線は、高速湾岸線大井ジャンクション(JCT)と大橋JCTを結ぶ延長約9.4kmの自動車専用道路。首都高の有料道路事業と東京都の街路事業の合併施行方式で進めている。

 ほとんどのトンネルは、シールド工法を使って非開削で建設している。現場に投入されているシールド機は全部で4台。そのうち、外径約12.5mの大型泥土圧式シールド機2台が、大井北たて坑から大橋JCTに向けて、全長約8kmの2本の本線トンネルを同時に掘進している。それぞれ、鹿島・熊谷組・五洋建設JV(共同企業体)と、大成建設・大豊建設・銭高組JVが施工する。

 首都高ではこれまで、2010年3月に開通した中央環状新宿線の代々木シールドトンネル(約2.7km)が最長。1台のシールド機で、直径10m以上の大断面トンネルを8kmもの長さにわたって掘進する例は、世界にも無い。