ドボク塾 考える力養成プロジェクト
目次
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段取りを考えた設計を
第3講義(4)現場に学ぶ / 講師:石橋 忠良 ジェイアール東日本コンサルタンツ取締役会長
都市部の構造物は、工事費が膨らむ。主な要因の一つは、現場を取り巻く厳しい制約を考慮しない設計にある。構造物本体の工事よりも、施工の段取りや仮設に膨大なコストと時間を費やしてしまう。設計者には、実際の現場で施工手順を知り、コストダウンに有用なヒントを読み取ることが求められる。
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破損に設計のヒントあり
第3講義(3)災害から学ぶ / 講師:石橋 忠良ジェイアール東日本コンサルタンツ取締役会長
巨大地震が発生するたびに、石橋氏は早期復旧に向けた指導のため被災地に足を運び、被害を受けた構造物を見てきた。ただし、石橋氏の場合は、単なる「調査」ではない。破損状況に隠された「教訓」を読み取り、新しい技術や設計法を生み出してきた。そのなかには、設計の常識からは着想できないものもある。
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そのひび割れは本当に危険?
第3講義(2)構造物の本質を知る / 講師:石橋 忠良・ジェイアール東日本コンサルタンツ取締役会長
土木構造物の維持管理に対する社会の関心が高まり、コンクリートの劣化やトラブルに敏感になっている。しかし、構造物や材料の特性、設計の原理といった基本を理解していれば、大騒ぎするものばかりではないと石橋氏は言う。そうした理解を深めるためには、現物に触れて、構造物の本質を知る力を養わなければならない。
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技術基準は完璧ではない
第3講義(1)設計の心得 / 講師:石橋 忠良・ジェイアール東日本コンサルタンツ取締役会長
今回から、ジェイアール東日本コンサルタンツ取締役会長で技術本部長でもある石橋忠良氏を講師に迎える。コンクリート構造物が専門のエンジニアとして、技術開発から計画・設計、施工管理、さらには災害復旧まで、様々な角度から土木に取り組んできた。これからの時代、どのように土木と向き合っていけばいいのか、どのよう…
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挑戦が将来を開く
第2講義(4)新しい技術への挑戦3 / 講師:寺田 和己寺田技術アドバイザー事務所
橋梁技術者、寺田和己氏の講義も今回で最終回。不可能と言われていることに挑戦してきた寺田氏は、その過程で貴重なノウハウを学んできた。新東名高速道路で設計を手掛けた「猿田川橋」を引き合いに出しつつ挑戦の意義を訴える。同時に、新しいことを避け、守りに入りたがる土木業界の将来を危惧する。
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「上手な横着」から工夫
第2講義(3)新しい技術への挑戦2 / 講師:寺田 和己・寺田技術アドバイザー事務所
寺田氏の3講義目は、前回に続き、徳島市の「阿波しらさぎ大橋」を題材に進める。大幅なコストダウンと省施工化のために、ここで着目したのは下部工だった。地盤に応じた基礎と橋脚を考えれば、橋全体の構造形式が合理的になり、コストダウン効果が大きいという。発想の原点は「上手な横着」にあるとも。
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「不可能」を可能にする
第2講義(2)新しい技術への挑戦 / 講師:寺田 和己・寺田技術アドバイザー事務所
橋梁技術者、寺田和己氏の2回目の講義は、同氏が設計に携わった「阿波しらさぎ大橋」を題材に進める。ここで考案した構造形式は、「不可能」や「コストアップ」といった指摘を受けたが、それらは寺田氏からすれば、工夫次第で必ず乗り越えられる「不可能」だった。斜張橋に似た構造やサンドイッチ床版、鈑桁の採用など、型…
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構造の成り立ちを知る
第2講義(1)構造物の基本 / 講師:寺田 和己・寺田技術アドバイザー事務所代表
今回からの第2講義は、橋梁技術者の寺田和己氏を講師に迎える。寺田氏が設計に携わった数々の橋は、常に「標準設計」から逸脱した提案で話題を呼んできた。しかし、それらの提案は、構造的合理性に基づくもので、これまでに土木学会田中賞を5回受賞している。その寺田氏が、土木技術者が携えるべきと説くのが、幅広い“ポ…
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「やってみなはれ」の精神
第1講義(4)技術開発への姿勢 / 講師:金井誠・大林組副社長
大林組・金井副社長による講義も今回で最終回。これまで紹介したような従来の殻を破る数々の技術を同社が生み出してきた背景には、とりあえず面白そうであれば、「やってみなはれ」と背中を押す金井氏の信念があった。
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アイデアは現場の最前線に
第1講義(3)仕事の生産性向上 / 講師:金井誠・大林組副社長
現場の作業所では、パソコンに向かう時間が長くなっている。事務作業が増えていて仕方ない面もあるが、生産性を上げるアイデアの種は、やはり工事の最前線にある。今回は、現場を歩くことで生まれた“ローテク”なアイデアを見てみる。
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常に「なぜ?」と問う
第1講義(2)現場は工夫の宝庫 / 講師:金井誠・大林組副社長
普段、「それが当たり前だ」と思って描いている設計図や施工図は、本当にそのプロジェクトや現場にとって最適解なのだろうか? 講師の金井誠・大林組副社長が常に持ち続けたのは、「それは、なぜ?」と問い直す姿勢だった。
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コスト・工期を「半分に」
第1講義(1)「本来のコスト削減」とは / 講師:金井誠・大林組副社長
忙しさに没頭し、いつの間にか考えることを放棄している技術者は多い。そうした人の思考を刺激するために、自らの思想や哲学を持つ土木技術者に登場してもらい、常識にとらわれない考え方を語ってもらう。第1講義の講師は、大林組の金井誠副社長。