電化製品などに付いてくる取扱説明書(トリセツ)。読みながら、または読んでから製品を操作する人もいれば、まずは適当に製品をいじってみて最後まで読まずに済ます人もいるでしょう。自分は後者ですが、土木技術者にもそのタイプの方が多い気がします。

 さて、日経コンストラクション12月24日号では、「道路の取扱説明書(トリセツ)」と題した特集を企画しました。道路整備は公共事業に占めるシェアが大きく、道路の建設や維持管理に携わっている土木技術者もかなりの数に上ります。「道路のトリセツなんて、いまさら必要ない」と思う方が多いかもしれません。

 ですが、そうした方にこそ読んでいただきたいという思いを込め、あえてこんなタイトルにしてみました。


日経コンストラクション2012年12月24日号特集「道路の取扱説明書(トリセツ)」から
日経コンストラクション2012年12月24日号特集「道路の取扱説明書(トリセツ)」から

 「道路=土木の仕事」という構図はこれからも変わらないと思いますが、従来の「造る、管理する」という枠に収まらず、「活用する」という発想で取り組む道路事業が最近のトレンドになってきています。特集記事では、行政と民間企業、地域の住民や商店街などが協力し、法改正などもうまく取り込んで成果を上げている事例を取り上げて解説しました。

 道路を単体で考えるのではなく、建築やまちづくりといった他分野の事業と組み合わせたり、土木以外の専門家と協業することが求められているのです。ぜひこの「トリセツ」をお読みいただき、新しい道づくりのヒントにしていただければと思います。

 また12月24日号では「NEWS焦点」で、12月2日に起こった中央道・笹子トンネルの天井板崩落事故について、取材時点までに分かった情報をまとめました。今後、新たに判明した情報はケンプラッツで報じていくとともに、2013年1月28日号の特集記事でも詳しくお伝えする予定です。