「海外受注を伸ばすために注力する国・地域は?」。日経コンストラクションが建設会社と建設コンサルタント会社を対象に調査したところ、最も多かった回答がベトナムでした。

 それを受けて、日経コンストラクションは11月12日号で、「最注目市場・ベトナム」と題した特集記事を組みました。現地に記者を派遣し、ハノイやホーチミンなどで主要なプロジェクトの現場を取材しました。


日経コンストラクション2012年11月12日号特集「最注目市場・ベトナム」から
日経コンストラクション2012年11月12日号特集「最注目市場・ベトナム」から

 ベトナムにとって日本は最大の援助国で、既に多くの日本企業がベトナムに進出し、インフラの整備にも携わっています。しかし、ベトナムでものを造ることは決してたやすいとは言えないようです。その一つの要因が「お国柄」の違い。良く言えば「おおらか」な現地作業員とともに、日本人スタッフが苦労し、そして工夫しながら、安全・品質・工期を確保するために日々奔走しています。そうした現場での日本人技術者の奮闘ぶりや、苦労して案件形成をしたプロジェクトが実現に向けて動き始めた様子を描いています。

 記事には、現地で働く日本人技術者ならではの、生の声も多く盛り込んでいます。「作業員の労働単価が安いと、かえってコスト増になる」、「自動車の台数が日本の60分の1でも、高速道路事業が成り立つ」――。こうしたコメントは、私を含め、現地を知らない人にとっては意外なものに感じられるのではないでしょうか。

 海外進出にリスクは付きものですが、建設産業にとって数少ない有望市場であることに間違いありません。日経コンストラクションでは今後も引き続き、東南アジアを中心に、海外での事業展開で参考になる情報を提供していきたいと考えています。