編集長が語る日経コンストラクションの見どころ

世間と建設業界の溝は震災対応でも埋まらず

2012年3月26日号

2012/03/23

東日本大震災
被災地
八ツ場ダム
整備新幹線
意識調査
自衛隊
公共事業
建設業界
調査
特集:東日本大震災

 建設業界による東日本大震災の被災地支援活動は、世間からそれほど評価されていないーー。日経コンストラクションが一般の人と建設業界で働く人のそれぞれに意識調査を実施したところ、ショッキングな結果が出ました。

 編集部が用意した11の選択肢から、被災地への支援で貢献したと考える団体や組織などを三つまで選んでもらう設問で、最も貢献度が高いと評価されたのは自衛隊。建設業界の回答者の82%、一般の回答者の86%から選ばれ、ダントツでした。

 建設業界の回答者は自分たちの支援活動を高く評価しており、貢献したとして建設業界を選んだ割合は自衛隊に次ぐ50%に達しました。これに対し、一般の回答者で建設業界を挙げたのは18%にとどまり、消防(45%)、一般市民によるボランティア(42%)、警察(26%)、地方自治体(21%)、NPO法人などの非営利団体(19%)を下回る結果となりました。

日経コンストラクション2012年3月26日号特集「伝わらなかった被災地支援」から
日経コンストラクション2012年3月26日号特集「伝わらなかった被災地支援」から

 東日本大震災の被災地では評価が異なるはずだと考えて、岩手、宮城、福島の3県の居住者に同じ質問を投げかけたところ、さらに厳しい結果が出ました。被災地支援に貢献したとして建設業界を挙げた回答者は2%にすぎなかったのです。

 日経コンストラクション3月26日号の特集は「伝わらなかった被災地支援」と題して、意識調査の結果を様々な角度から分析し、建設業界の課題を浮き彫りにしました。被災地への貢献度の調査では、建設業界の発信力の弱さが露呈しましたが、問題はそれだけではありません。

 意識調査では被災地への貢献のほか、建設業界の体質や社会との関わり、公共事業の是非や問題点、建設業界に対するマスメディアの報道姿勢といった点についても尋ねています。八ツ場ダム(群馬県長野原町)や整備新幹線など五つの大型公共事業の賛否も聞きました。大学生以下の子どものいる女性にも同じ質問に答えてもらい、子どもの就職を左右するといわれる母親の意識を明らかにしました。2009年や2006年などに実施した同様の意識調査の結果とも比較して、多角的に分析しています。ぜひ特集記事をご一読ください。

畠中 克弘=日経コンストラクション編集長日経コンストラクション

読者のコメント (8 件)  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます
非常に卑しい考えだと思います。
国家の危機に勝った負けたは関係ないでしょう。
日本には隠徳という考えがあります。周りに伝わらなくても行為の尊さに変りはありません。
善行に代償を求める最近の風潮は日本人の美徳と相容れないものです。あまり評価評価とを強調すると、業界の方々が文字通り命がけで行った尊い努力を台無しにしてしまいますよ。
評価されなくても、いや、評価されないからこそ胸を張って生きていきましょう。
(ジンロク 2012/03/30 18:39)

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この特集記事にいったいどんな意味があるのでしょう?

災害や事件の際に、自衛隊や消防や警察といった機関が活躍し注目されるのは当たり前のことです。なぜなら、そのような非常時に対応することこそが彼らの仕事だからです。本当は、彼らが活躍しないこと=災害や事件が無いことがみんなにとって一番良いはずです。つまり、今回自衛隊が最も評価されたということは、そのくらい、つまり戦争と同じくらい今回の災害規模が大きかったということの表れなのです。自衛隊の方ががんばったのはもちろんですが、決してそのことがこのアンケート結果に結びついているわけではなく、むしろ災害の凄まじさを物語っていると捉えるべきでしょう。

確かに談合等の昨今の建設業界に対するイメージ低下は以前から言われていることですが、そのことと今回の被災地支援の評価を結びつけるのはお門違いも甚だしいと思います。まして、それを「自衛隊に完敗」と表現すること自体、編集者・記者の洞察力が欠如しているとしか思えません。

私は、最初にこのアンケート結果を見て、意外にも建設業界の評価(18%)が高いと感じました。それは、おそらく高速道路等インフラの早期復旧への貢献や、原発事故への貢献が一般にも伝わっていたからではないでしょうか?もちろん談合等によるイメージ低下にはもっと真摯に取り組むべきだと思いますが、今回の被災地支援の貢献に限って言えば建設業界の方はもっと胸を張っていいのではないかと思います。
(2012/03/27 16:41)

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■(3/26 16:55)の方に勇気を頂いて多少不都合な真実を述べる。■阪神淡路に限らず、災害が発生すると、建設会社が先陣を争って被災地に駆けつける。自らが施工した建物を中心に、応急対策、診断、復旧に当たる。これが世間に評価されているかどうかが本記事の問うところである。■当の建設会社(の一部)が本音で語るには、他の会社施工の建物以上に損傷があると支障があるので隠す、施工不良などの瑕疵を隠す、施主に恩を売って次の建替えなどの受注に繋げる、というような驚くべき声が聞こえる。■黙っていても梨園に冠を正さず、という状況なのに、自ら本音を語って恥じ入らないその傲慢さが、世間に見えないはずがなく今回の調査結果は当然であろう。■被災地の建設業の景況が好転しているとの新聞報道が踊る。緊急支援や復旧への取り組み自体は歓迎されているのだから、建設業も襟を正して事に当たるべきであろう。震災の前、また数年後に再来するかもしれない構造的な建設不況に苦しむ我々にとって、支援してやっているという立場でなく、震災特需で立ち直りの機会を与えてもらっているという立場も謙虚に忘れないでおきたい。建設業は”壊れると儲ける”=”壊れるものを作る”という悪評を一掃する時期に来ている。
(■(その2) 2012/03/27 09:53)

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このアンケートは設問に問題があるのではないか。「被災地への支援で貢献したと考える団体や組織は?」と聞かれて「建設業界」をあげる人が少ないのは「建設業界」が団体や組織には見えないからだと思われる。段差のできた道路を修復したり、落橋した橋を突貫工事で通れるようにしたことに感謝しない人はいない。しかし、それらの工事は国や自治体の「仕事」に見えるし、本来あるべきサービスの復旧に過ぎない。被災者が強い印象を受けるのは普段は望めない支援の形なのだろう。どうしてもボランティア活動やコンビニ・チェーンの弁当無償配布などのほうが印象に残るのだ。
(虫眼鏡 2012/03/26 19:10)

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防波堤の崩壊や津波来襲時の避難場所として期待されていたビルで多くの被害者が出てしまったことが、ある種建設業界への不信に繋がり、低評価、となったのではないでしょうか。
(2012/03/23 14:31)のコメントに対する賛同(参考になった)がないことと、いささかエキセントリックに過ぎるものの(2012/03/26 13:15)のコメントを否定するようでは、この業界と一般の方との間にある溝は決して埋まらないと思います。
(2012/03/26 16:55)

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建設業に対する支援活動が被災地の方々には伝わっていなかったとの表現は、的確だろうか?
1級建築士の大部分は、耐震強度は壊さないと判らない、姉歯儀装事件は国交省が仕立てた事件名であって姉歯1級建築士がたまたまヒッカカッタだけだと放言しています。特に、一匹オオカミで事業を営む1級建築は、謀ることはするが、現場で測る・計る・量ると言う計測・実測をせず、設計目標である耐力の推定計算する実施していない。特に外観からは見えない部位に関する設計責任・施工責任については、実測データが皆無ですし、開発申請書・建築申請補を提出しても受理した地方自治体は、施工現場での実測・実態を把握せず、竣工を承認している。
異常な体質・習性・慣習の業種です。
そして、キックバック・仲介口銭・談合を当たり前だと言う輩が多い。
品質管理手法を習得する1級建築士は皆無ですし、そんな知識は無用だと捉えている。排他すべく監視を続けたい。
(最適公平 2012/03/26 13:15)

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>災害が起こらないようにすることが建設業の責任(貢献)だと思うのである

別に技術が進んで地震を防止できるわけではないし、せいぜいが被害を減らすのが精一杯です。
災害が起こらないようにするとかいう目標は、どうかと思いますが。
(2012/03/23 17:06)

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■■今回の震災における建設業の責任(貢献)は、第一義的には“防災”であっ
たはずであるが、防波堤などの幾多の建設物がその目的を達することができなかった。ガレキ処理などの緊急対応が次に来るが、“今後の防災”が建設業の果たすべき次なる大きな責任(貢献)であろう。即ち、警察、自衛隊などと一体となって行ったガレキ処理などの緊急対応への貢献は、建設業については期待値がそもそも低いのである。言い換えれば、ここで頑張って高評価を得たとしても、本来業務の失地回復にはならないと思い知るべきである。■終ったことは別として、これからの災害に対する防災(施設の建設)に全力を傾注することが求められている。残念ながら、今のところ、進まない高台移転、異様な高さの防潮堤など、被災地の住民から十分な信頼を得る解決策を示しえていないのが現状ではないだろうか。■誤解の無いようにしたいのは、災害が発生した後の緊急対応の意味が無い、価値が低いというのでは決してない。それ以上に、あるいはそれ以前に、災害が起こらないようにすることが建設業の責任(貢献)だと思うのである。この責任を果たして初めて世間の評価も得られると信じる。
(■ 2012/03/23 14:31)

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